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サンデー作家陣

西森博之

Vol.17/2014年4月9日

いやいや、このコーナーのことを、本当に長いこと放っておいてしまいましたね。全然催促してこないから… 
いやいや、失礼しました。
ではキッチリ過去を取り返すために、順番に話をしましょう。

まずはあれですね、『鋼鉄の華っ柱』連載中の応援に対するお礼ですね。
本当に有り難うございました。
手紙やメールを下さった方、あなた方の温かな言葉によりとても励まされました。
メールも手紙もなかったけど楽しんで読んで下さった貴方、有り難うございます。
電車で貴方の後ろから様子を見ていましたよ。
それに、ただ惰性で読んで下さった貴方、
面白くないと思いながらも雑誌を買ったお金を惜しんで読んで下さった貴方、感謝します、有り難うございました。
地球に負担を、いくらかかけて作った作品ですので、
全くの無駄にならず助かりました。
貴方の心に三点リーダの雨だれ(…!)でも浮かばせられたのなら喜びです。

えーと次はあれですね。『鋼鉄の華っ柱』連載終了の挨拶ですね。

いきなりですけど言い訳します。
これを始める時、あまりに準備時間がなかったんです。
連載の予定だけが決まっていて、何を描くかは決まってなかったんですよ。
ジワジワ追い詰められた僕は、前から考えていて、
なんとなく暖めていたものを描くしかないと思ったんですよ。
それが『鋼鉄の華っ柱』だったんですね。
サクサクとネームを描き、連載は始まりました。そして途中で気がついたんです。
ああ、これ、実はギャグ用に考えていた話だった。
絵も少し等身を下げて、近所に発明家が住んでいて、斧で頭を割られた主人公が次の週にはケロッと学校に行くような話を考えていたんです。
ちょっと挑戦してみようと思っていた作品だったんですね。
何て失敗を… 頭が悪すぎますね。
僕の場合、どうも空想から出た事というのはスカッと抜けてしまうのです。
思い出してみても、もう始めてしまった話ですから、引き返すことは出来ません。
そこは頑張ってみました。
普通の世界の主人公、格好つける事に命を懸ける男、御前崎真道が高笑いする、という話を描き続けました。
しかし、本当は敵のビルをまるごと爆破したり、街中に虎を放ったり、好き放題する世界の住人だったという思いがなんとなく心に引っかかり、ノリノリって感じで描けてなかった気がします。
あれ、否定したように読めますか?違いますよ。
ちゃんとこれはこれで面白いと思っていますよ。
まあ、いつかそのノリの話を描いてみたいものですね。

ご愛読下さった皆様、有り難うございました。

えーと次は、『何もないけど空は青い』連載開始の挨拶ですね。

『ロビンソン・クルーソー』を読んだことありますか。
僕はあれを読んだ時、作者はどれ程シミュレーション好きな人間なのかと思いました。無人島に流れ着いてしまったら、飲み水はどうしようか、永続的に暮らすにはどうするか。
そんな事を本気で考えてる人だな、そう思いました。

実は僕もそんな事を考えて夜に眠れなくなるタイプです。
ある時、ふと思いました。災害でも、細菌でも、戦争でもなく、いきなり文明が無くなったらどうなるんだろうか。
人はその時どうするんだろうか。映画を見て、音楽を聴いて、テレビを観て育った人達が、夜に灯りがなくなったらどうするんだろうか。
人間だけがいきなり、置いていかれる世界です。
普通の人には耐えられないような世界でしょう。
けど、強い人や、誇り高い人達はどうするんだろうか。
そんな事を考えて、『満天の星と青い空』という小説を書きました。
初めて作った作品だし、本職の方の意見も聞けなかった為、若干荒削りですが、僕なりによく出来た話だと思っています。買ってね。
それのアナザーストーリーをサンデーで原作用にと頼まれ、
作ったのが『何もないけど空は青い』です。
主人公が地球を救うようなスケールの話ではありませんが、
人がどうするのかを描きたいと思っています。
自分ならどうするか、そんな事考えながら読んで下されば幸いです。


いやーなんか、原作者みたいだったね!
コメントが大人だね!
あ、そうだ、僕の二作目の小説も出るよ。
『俺の心臓は彼女にしか撃ち抜けない』よろしくね!


プロフィール

西森博之 (にしもり ひろゆき)

1987年 『プー太郎』(増刊少年サンデー)でデビュー。
1990年 週刊少年サンデーで『今日から俺は!!』連載開始。圧倒的な支持を受ける。
『天使な小生意気』で第46回小学館漫画賞受賞。
代表作『甘く危険なナンパ刑事』『スピンナウト』『道士郎でござる』『お茶にごす。』『鋼鉄の華っ柱』。
週刊少年サンデー2014年16号~2015年38号にて、原作を手掛けた『何もないけど空は青い』を連載(作画:飯沼ゆうき)。

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