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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

若木民喜

Vol.46/2006年11月15日

先日、久しぶりに東京ディズニーランドに行って来ました。

エレクトリカルパレードなんてのは、高校1年生の時観て以来で、もう大興奮。まあ、ボクが「グーフィーや!グーフィーや!」と大騒ぎしていた犬は、後でプルートだったと教えられましたが。ディズニー映画あんま知らないんですよ・・・。

こんにちは。若木です。

今回は46話目です。ようやくレアクラスが登場しました。これで、第1話の表紙で出てきた人は全部出た訳ですよ。よかったよかった。実はこのレイブンというキャラは、最初のストーリー構想では2話目に既に登場していて、木梢町で戦争が起こっていることを思い知らせるキャラクターだったのです。だから、1話の表紙に載っていたのですね。最初の構想よりも、44話も遅れての登場になってしまいましたが、大きな戦争の開始を伝えるキャラクターとしての役割は同じものになりました。それにしても、レアクラスはうっとうしいヤツです! いやいや性格とかじゃなく、絵的に。どうしてあんな大層な翼を持っとるのか。剣も何だかステンドグラスみたいな柄だし。


時に、今回のレイブンを描いていて、一つ思い出しました。

「ボクが絵に開眼した瞬間」

レイブンの見た目は、西洋の昔の甲冑をモチーフにしています。こいつを描いている時にボクの頭のなかをふとよぎったもの。それは、ボクが小学生の頃描いていた「機動戦士ガンダム」のドムです。

ドム。ボクはとにかくドムが好きでした。ガンプラでもドムで一番遊んでいたので、ボクのドムのヒートサーベルは酷使に耐えかね何度も折れ、瞬間接着剤でもつかなくなって、仕方なくセロテープでぐるぐる巻きにしていたものです。

だから、お絵かきでもドムばっかり描いていました。学童保育でもらう藁半紙に、黒い30連星ぐらい描いて。しかし、ボクには悩みがありました。いくらドムを描いても、黒い10000連星ぐらい描いても、ボクのドムはどうもしっくりこないのです。

ドムが傾いているのです。

ドムが地面に立ってないのです。ちゃんと大河原邦男画のドムの絵を横に置いて真似して描いているはずなのに・・・ちゃんと一つ一つの要素は描いているはずなのに・・・何か違う。どうして傾くんだろう? 子供のボクは悩みました。ドムが立たなきゃあ、ジェットストリームアタックができないもの。


ボクが通う学童保育には、大学生のバイトの女先生がいました。その先生は「Merry Christmas Mr.Lawrence」と大書したトレーナーを着、カイ・シデンを愛する80年代のナイスなオタク女でした。

ボクはその先生に傾いているドムを見せました。先生はおもむろに鉛筆を取り出すと、そのドムの横にでっかく

「く」

と描きました。「おめーのドムが傾いてるのは、胴体と左足がまっすぐ繋がってるからだよ。だから、ボディーが向かって右に傾くんだ。左足をもっと広げろ。胴体と左足は、くの字を描くんだよ! くの字だ!」と、その先生は言いました。

くの字・・・。ボクは言われた通り、ドムの左足を広げ、胴体を後ろに逸らして、胴体と左足が「くの字」を描くように描いてみました。




・・・・・・・・!!!!!!!



た、立った!



ドムが立った!ドムが立った!
おじいさーん!!!!!!!!



威風堂々と立つドムを見てボクは気づきました。絵には「重心」というものがあるんだということを。物体には目にみえない中心線があって、その中心線からのバランスで、絵が安定することを。小学生のボクは一つ一つの要素をしっかり見るのに夢中で、全体のフォルムについては無関心だったのです。それを女先生は「く」の字一つでボクに伝えたのです。サリバン先生がヘレン・ケラーに水をかけて、物事には意味があると知らせたように!

それからは何を描いても、ボクのモビルスーツは地面に立つようになりました。ザクも! グフも! 足のないジオングですら! わはっははははは!

今日、ボクが漫画家をやれているのも、あの女先生のおかげです。
どうもありがとう!


それではまた来週!


・・・・
あれ?


・・・え? ら、来週、アルバトロス最終回!?

そ、そんなぁ! バカな! ほんとに? マジで?

あ、そうだ。ゴミプレゼントの第3回目、発送終わりましたよ!
当選者の方、お待ちください!!

ええ? マジで来週最終回!?
と、とりあえず、また来週!

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