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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

若木民喜

Vol.43/2006年10月25日

遅ればせながら、スターウォーズのリミテッドエディションのDVDを買ったんですよ。


このスターウォーズのトリロジー版は買うのをスルーしたくせに、なぜこのバージョンを買ったかというと、日本語吹き替えが「初公開劇場版」であるということです。聞きたい! 何と「ルーク:奥田瑛二、ハンソロ:森本レオ」ですよ。まさに衝撃のキャスティングですな。

まあ、実際聞いてみたら、もっと衝撃的でしたけど。

まあ、かく言う私が一番慣れ親しんだスターウォーズは「ルーク:渡辺徹、ハンソロ:松崎しげる」版なのですが・・・。これが最高! これが原点!


こんにちは、若木です。

今回は43話目です。今回から、ユウキについての話が連続で続きます。世の中、偶然なんてことはないんです。意味もなく行われているものはないんですよ。ボクらが普段歩いている道路の石ですら、きっとそこにある意味があるのです。そういう小さな意味がつもりつもって、甘いドロップスになるんです(童謡たとえ)。「アルバトロス」は、そういう話なんですよ・・・。


さて。

今日は、ネームを描く場所について、お話しましょう。

ネームネームと、今までのバックステージでもちょこちょこ書いてきましたけど、「ネーム」というのは、まんがの原稿を本格的に描く前に作る、コマ割りと簡単な絵が入った絵コンテで、原稿の下描きの下描きのようなものです。このネームを担当さんに見せて、本チャンの原稿に進んでいいかお伺いを立てる訳です。

このネーム作りには全てのまんが家さんが苦しむ訳ですが、ボクもご多分にもれず苦労しております。最近のボクは作画作業にスケジュールが圧迫されてるので、1話分のネームにかけられる時間は2日ちょっとです。一昨年までのボクのネームの生産量というのは、「1か月にせいぜい10ページ」というところでした。それが今は「2日で18ページ、しかも、世の中に出してもよいクオリティで」という、昨日までの赤ん坊が今日はアポロ計画に参加、みたいなハードルの上がりっぷりですから。大変な訳ですよ。話数を重ねてたら慣れるかと思ったけど、そうでもないみたい。


こういうハイプレッシャーななかでのネーム作りで大事なのは、ネームを描く場所です。



場所・・・? ネームを描くのに必要なのは何より集中力です。しかし、集中力ってのは自分ではなかなかどうにもなりません。特にボクの場合は気が散りやすいですから。ネームをやっていたつもりが、いつの間にかゲームをやっていたり、寝てしまったり、ハードディスクのファイルの名前を意味もなく全部リネームしてみたり、この年でセリエAにデビューして得点王になる方法はないかと真剣に考えてみたり、なかなか集中できないものです。

そこで、外に出てネームをやる訳です。部屋はどうしても誘惑が多いですから。誘惑の少ないところへ逃げるのですね。カバンのなかには余計なものを入れていってはいけません。ヘタにサッカー雑誌とか入れてしまうと、日本代表のシステムを延々と考えたりしてしまいますから。本当に紙と鉛筆だけを持って外へと出ます。

ネームをやる場所はいろいろです。前々回にミスタードーナツでネームをやってた話をしましたが、これが不思議なことにマクドナルドだとなかなか進みません。うるさすぎても静かすぎてもいけません。適度に雑多で埋没できるところがいいのです。一つの店で粘り、煮詰まったら次の店に移動。移動する間に考える。これを何度も繰り返して半日ほど経った頃に、段々とネームが形になってきます。

そして、ネームの最後の仕上げは、いつも決まったファミレスへ。

そこは、昔ボクがアシスタントとして働いていた仕事場の近くにある某ファミレスです。そこはその昔、店周辺に連載漫画家が5人住んでいたという恐ろしいところで、めちゃくちゃにまんが家密度が高い場所なのです。当時の作家の方々は皆引っ越されてしまいましたが、そのファミレスは今でも、新人ベテラン問わず、まんが家がやたら出没する溜め池のような場所になっているのです。昔は何だか畏れおおくて近づかなかった所だったのですが・・・いつの間にやら、すっかり行きつけの場所になってしまいました。

妙に若い格好で若いのか年くってんのかわかんないベテランらしき人が、けだるくノートPCに絵を描いている横で、向かいあってまんがを一心不乱に読んでいる打ち合わせ中らしきおっさん2人。徹夜でテンションあがってゲラゲラ笑いながらアニメの話で盛り上がる夜食を食べに来た作家とアシスタント。地味な服装の割りに目だけやたら異様な輝きを放って勢いよく手を動かす新人らしき人。そして、店巡りで疲れ切ってネーム用紙を広げたままイスで眠っちゃっているボク。こんな人達によって、みんなが読むまんがが次々と生産されていくんです。同じ穴のムジナの一員として、ボクも頑張ろう! と、眠い目をこすってネームを作っています。そんな東京の片隅の、深夜のファミレスです。

何だか今回は、とりとめのない話でした。
何しろ、ネームの合間に書いているので!
さて、今からまた店巡りです。
また来週。


○おまけ○

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東京都千代田区一ツ橋2-3-1
小学館 少年サンデー気付
若木民喜アルバトロス3巻 ゴミ係
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