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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

椎名高志

Vol.9/2005年7月13日

 お久しぶりです。サンデーのあとがきコメントの自画像を描き直しました。「前のは?」と聞いたら「もうない」っていわれちゃった・・・・・・・・・・ドンマイ、俺ッ(裏声)!!




ところで、独りで仕事場に引きこもってネームをやってた先日の夕方、誰かが来てチャイムを鳴らしました。インターフォンに出てみると、モニタには知らないオバサンが。
「トイレを貸してください」

「はあ(なぜウチ)?」と5秒ほど沈黙してると、
「いえ、だめならいいんです、近所のお店を探しますから」
と言うその後ろに、小さな男の子が。小さい子に甘いワタシは(子供がもよおして緊急事態なんだな。まーそういうこともあるかも)と開けてしまった。

「すいません、急にお腹が痛くなって…」
「まあ、子供ってそういうもんで…って、あんたがトイレに!?」

オバサン、5〜60歳くらいでしょうか。表情が全くないのが気になります。そしてトイレにこもって出てきません。子供、5歳くらい。非常に落ち着きありません。モニタではよくわかりませんでしたが、二人ともあからさまに服ボロボロ、髪ボサボサです。オバハン出てこないので子供も上がりこんで仕事場勝手にウロついてます。

「あ、そっち行っちゃダメだよ」
「これ何? なんでウルトラマンあるの?」
「いや、おじちゃんそれの漫画描いてるから」
「あーこれ欲しいなー」
「…それはおっちゃん仕事で必要だから…って、こらこら、勝手に階段登っちゃダメ!! 二階はダメだってば!」
「車ちょうだいー」
「ウチの子のだからダメ!」

走り回り、仕事場中のものに触る子供と戦う長い30分が過ぎ、オバサン出てきたと思ったら
「しばらくここで休ませてください」
と言うなりしゃがみこんで動きません。
「漫画家さんなんですか。今度サインもらいに来ていいですか」
「……そういうマネは絶対にしないで下さい」

さらに30分後、なんかブツブツ
「あの〜この子ね、預かってるんですよね。でももう五時ですね。どうしようかな。困ったなあ。あ…そうだ、**くん、ここでしばらく待てる? 1時間…2、3時間くらい
お前…子供置いてく気かい。
「いや、それは困ります!!」
と言うと、うつろな目で下を向いて沈黙するオバサン。怖い。この表情、どこかで見たことが。あっ、ダウンタウン松本のコントに出てくるキャシー塚本そっくし!?

「正露丸あげましょう! これ飲んで帰りなさい! さ、ボク、おじちゃん忙しいからね、バイバイしよーなっ!!」
「でもこれ欲しいー!!」
「じゃー仮面ライダーあげよう! ホラ、『仮面ライダーカリス』だぞ! よかったね! じゃーな!! バイバイ――――っ!」

…怖かった。七匹の山羊の気持ちがよーくわかりました。もう二度と知らない人が来てもドアは開けません。

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