WEBサンデー

MENU

まんが家バックステージ

サンデー作家陣

椎名高志

Vol.5/2002年4月24日

 みんな新連載第一話はもう読んでくれたカナ? 今回はカナタの言葉遣いについて書こうカナ。担当がなにか欲しいと言うので考え始めたんだけど、私はそういうの恥ずかしくてなかなかできない方カナ。「GS美神」の小笠原エミは語尾に「ワケ」とかつけてますが、あれだけでも実は十分恥ずかしくて落ち着かないワケ。昔の漫画ではそういうの大事にしてたけど、正気の人間が「ニンニン」とか照れもなにもなく書けるもんでござろうか、ニンニン。きっとどの先生も苦労したと思うでござるよ、ニンニン。

 その手の手法で有名なのは赤塚不二夫先生だけど、「ニャロメー!」なんてのはキャラクターを問答無用で表現できてて凄いニャロメー! イヤミもいいザンスね。やっぱこういうことは、多少意図的にでもやった方がいいザンス、シェー!!

 最近はラムちゃんみたく「方言」で処理するキャラ立ての方が多いかもしれないっちゃね、ダーリン。今のサンデーでも「ダンドー」が熊本弁をつかってるバイ、タクさん、タクさあああん。「ジャぱん」も方言キャラじゃ。しかし、ウチのカナタは王族なわけで、方言はちょっと…なんかこう、もっと高貴でおっとりした感じが欲しいんじゃ! イメージとしては皇室の方々のような、育ちが良くて穏やかな感じ…でも、ていねいな言葉遣いというのは、相手に対して距離を置く印象もあって、少年漫画のキャラはやっぱ「ドラゴンボール」の悟空みたいな気の置けない感じがいいなとも思うぞクリリン、オッス、オラ悟空!

 三十代のオッサンが二人、徹夜でえんえん「麿は雅なお子様でおじゃる」「うぬには死兆星が見えるか」「踊らされてるモロ」「本官は小悪魔ニョロよー」「ピッカチュー、ピカピカー」とか言い合ってる姿ははっきり言って異様でしたが(笑)、いい加減脳みそが煮詰まってきたところで、ふと「『ニャロメー!』は『こんにゃろーめ!』ってことだよな。あれはちゃんと意味のあるセンテンスだ。ハットリくんの『ニンニン』も、ひょっとして『忍!』と唱えているのでは? …そうだ!! 名前が『カナタ』なんだから、語尾に『カナ』をつけるのだ! しかしそれにはちゃんと意味があって、『カナ』は疑問形なのだ! なぜなら、断定口調でしゃべると相手を傷つけたり政府の意向と違うことをしゃべってしまう可能性がある! この配慮は王族っぽいぞ!?」と突如ひらめいたカナ。

 てなわけでネームのセリフの語尾に全部「カナ」をつけてみたら、いい感じだったので担当と二人して爆笑して決定カナー。今ではもうすっかり馴染んで違和感がないカナ?

このページのトップへ