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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

松江名 俊

Vol.5/2003年10月1日

 ある夜、涼しくなった公園の芝生の横道を歩いていると、一緒にいた友人が、地面をうごめく複数の物体を発見した!!
「あ、コガネムシの群だ!」
 いやいや、断じてコガネムシなどではない^^;
 見慣れてるけど、見慣れていない”奴”だ!
 そう、夏の日の思い出に抜け殻だけを焼き付ける茶色なあいつ…

“セミの幼虫”が群をなして石畳を横断中だったのだ!!
「殻はよく見るけどこいつら動いてるとこ初めてみた!」
喜ぶ友人^^

 私も昔はよく、木の根本にある、奴らの巣穴に棒をつっこんで捕まえたものであるが、5、6匹が一度に道を渡るところなど見たこともない。
「ほっとくと、自転車にひかれるんじゃない?」
 その不安どおり、一匹はすでに踏みつぶされていた。
 土の中に懲役5年、やっとでられた短い命。
「今いる奴らだけでも、拾って木にかけてやろう」
 3人でせっせと木にくっつけてやった。結構ずしりと重く、パチンコ玉2つ分くらいに感じた。つまむとぐっと中から押し返してくる。これから大空を、短い間だが自由に飛び回るための力がつまった重さなのだろう。

 よくTVなどで、
“自然のバランスを崩さないように助けない方がいい!”
というが、開発に次ぐ開発でさんざん崩しておいて減る一方のセミを見殺す理由はない。

 しかし、このセミたちはなぜ道を渡ろうとしたのだろうか? もし道を渡りきっても、その先の木まではまたかなり広い芝生地帯だ、木に登る前に干からびること請け合いだろう、どうせなら自分が今まで養分を吸ってきた木に登ればすむはずなのに…
 生命は不思議だ、きっと何か彼らなりの理由があるのだろう。

 次の日、つけといた木にセミの抜け殻を見つけてほくそ笑む私…^^

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