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畑 健二郎

Vol.155 /2007/10/31

【第150話/伝説の秘境・高尾山】


深夜。
一つの仕事を片付け、朝までに次のアイディアをまとめなくてはいけない時のことだ。

とりあえず部屋の中に篭っていても
アイディアなんか出てこないので
とりあえず練馬の仕事場から外に出て歩き始める。

頭の中をぐるぐるとまとまらない考えが回る。
最近一番頭をよぎる台詞は劇ナデでホウメイさんが言った言葉。
『艦長としての責任、任務の遂行、敵は強い』という台詞。

電子の妖精くらい有能ならそれでも何とかできるのだろうが
今の僕の心境としては、鉄骨を渡るカイジが
心理的にも状況的にも一番近い。

日々増え続ける、悩み、恐怖、無力感。

常に打切りという言葉が付きまとう新人漫画家の初の週刊連載。
この三年間、浮かれたような文章は書いていても
浮かれていい状況になった事など一日だってない。
そうでなければ、とっくの昔に一週くらい休載して
タヒチでもハイキングでも、好きな所に行っている。

そんな事を考えながら練馬から
電車にも車にも全く乗らず
ただひたすらにぼーっと歩いてた。
まとまらない考え、答えの出ない悩みを抱え
歩いて、歩いて、歩き続けて……

気が付くと
目の前に『国会議事堂』があった。

………え?

さすがに唖然とした。
悩み事もここまで来ればある意味立派なんじゃないだろうかとも思った。

とりあえず目の前の状況にオロオロしつつも
せっかく来たので勿体無いからカメラを取り出し撮影開始。
でも深夜なので暗くて上手く撮れない。

えーと、どうしよう?
ISO感度を1600まで上げ、シャッタースピードを遅くして
どこかに固定すれば……。
カメラの設定をチェンジ。三脚がないのでどこかカメラをセットできる場所がないかとキョロキョロ。

そんな事を色々やっていると……警備の方がいらっしゃいました。

当然です。
どう見ても不審者です。本当にありがとうございました。
これで声を掛けなければ日本の未来が心配です。

警備さんは言いました。
「こんな所で何をやっているんですか?」

僕は言います。
「……えっと……何をやっているんでしょう?」

シンとなる深夜の永田町。微妙に流れる気まずい空気。

本当に何をやっているんだろう……。

こうやってまた反省することが増える。
そんな秋の夜長。
結局朝までアイディアはまとまることがなかった。


あ、警備さんはいい人だったので撮影した物を見せたら何事もなく去っていきましたよ。


さ、そんな今週あった唯一のトピックスも終わったところで
今週の話ですが……。



−−−−−−−−−−−ネタバレ−−−−−−−−−−−−−−

東宮坊ちゃんと愛歌さんの話といってもいいかな?

東宮坊ちゃんは描けば描くほど可愛くなってくるので困る。
きっと野々原も草葉の陰で喜んでいるよ。カミナのアニキばりに。
まだ生きてるけど。そのうちまた出てくるけど。

愛歌さんも意外と可愛い面があるなぁと思いつつも
このままワタルに手玉に取られて終わるとも思えないなぁと思ったり。

でも絵面的には虎鉄を描くのが楽しいです。

しかし、とりあえず細かいことは先週に引き続き、
おりゃーと次週に丸投げです。


そういえば本当は今週、
発売されたばかりの『ハヤテのごとく!』2008年度版カレンダーの話をしたかったんですけど時間切れなのでそれもまた来週に。
売り切れとかになるかもしれないので、とりあえず気になる方はこちらのコーナーを。


それではまた来週〜☆