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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

畑 健二郎

Vol.123/2007年3月20日

【第120話/湯船の中に何かが溶けて】


限界を超えてしまったらしい。


朝。前日徹夜したにも拘らず、二時間ほどで目が覚めた。
どうやら右手に軽い痛みが走り、目が覚めてしまったらしい。

手を握ってみる。
確かにどうも右手の薬指の付け根の辺りが、微妙に痛む。

寝ている間につき指でもしたかな?

そう思って再び眠る。
寝ればたぶん治るだろうと。

しかし、起きてみても痛みは引かない。
いや、正確に言えば痛みが増して寝ていられなくなったのだ。

とりあえず痛いとはいえ、起きたからには仕事をしなくては。
スケジュールはすでに限界ギリギリのところまで追い詰められて
いる。

ペンを握る。確かに痛いが我慢できる程度だ。
問題はない。とりあえず描き進める。
1ページ、2ページ、3ページ、4ページ……。
困ったことに描けば描くほど痛みが増す。
5ページ目ではすでに限界。ペンを握るどころか、起きているのが
辛くなるほど激しい痛みが右手を襲う。

この時点で、僕はようやく事態が深刻なような気がしてくる。
その直後、担当から電話が。

とりあえず病院に行ったほうが良いといわれ病院へ。
病院に着いた頃には、もはや痛みで指を曲げることさえ
出来なくなっていた。

もしかしたら骨折?捻挫?しかし何の原因も思い浮かばない。

普段から右手だけは怪我をしないように気をつけている。
重い荷物も出来るだけ右手では持たないようにしている程だ。
何かいやな予感が脳裏に浮かぶ。
深刻な病気とかだったらどうしよう……。

不安の中レントゲンを撮る。
看護婦さんがちょっと可愛い人で少し得した気分になる。
そして、現像されたレントゲン写真を診てお医者さんが言う。

「恐らく石灰化だね」

レントゲン写真を見ると、確かに薬指の付け根部分になにか、
本当に小さな白い石のようなものが見える。

お医者さんが言うには、回りの骨が欠けている様子がないので、
恐らく肉の一部が石灰化といって石のようになってしまったのだ
という。

人体は不思議だ。そんなことが起こるのか。
でも原因はなんですか?

手や指に起こるのはとても珍しいけど……と前置きして、お医者
さんは言った。

「毎日同じ格好で六時間も七時間もペンを握ってたりするんじゃ
ないの?そうでもしないと、こんなところで石灰化なんて起こら
ないよ」

スミマセン。恐らくペンを握っている時間は、その倍の時間でも
ききません……。

特に去年の末くらいから今年に入ってからは、毎週の原稿が
終わるとカラーを描いて、そのカラーを描いて、そのカラーを
描きつつネームを考えるという手法で乗り切っていたため、
実質ペンを握って描いてない日は、ほぼ皆無。

その結果、手の方が先に音をあげてしまった感じです。

しかし、そうはいっても、そうでもしないと、どうにもならない
スケジュール。
医者に言わせれば、大した事はないので三日もすれば
痛みもなくなるということなので大事には至らず翌日には
ちゃんと描けるようにはなりました。
なのでご心配なく。

いやー、危なかった……。
全治一週間とかだったら完全にアウトでした……。

やはりギリギリのスケジュールは良くない。
この反省を生かして、今後は少し余裕のあるスケジュールで仕事
をしなくとはと思う今日この頃。

『痛いのとか……血が出るのとか……嫌いなんだ……』
by.アカギ

そういうわけで体には気をつけよう。
気をつけるために温泉に行こう。
そう思った今週の話なのですが……。



−−−−−−−−−−−ネタバレ−−−−−−−−−−−−−−

さて、そんなこんなで120話です。

番外編・その2のヒナギクと西沢さんの関係に少しづつ近づいて
いっている感じが伝わると良いなぁと思っているのですが、いか
がなもんでしょ?

だいぶん前からあたためていた話で、ぶっちゃけ番外編の2を
描いている時点で西沢さんの決めの台詞まで決め込んでいた
話だったので話自体を考えるのは楽だったのですが、実際に
絵に描いてみると頭の中で思い描いたように描けなくてちょっと
苦労しました。

温泉である必要性は今回の、この話のためだけといっていいです。
だから裸もいっぱい描こうと思ったのですが……
やはり16歳コンビの裸はちょっとテレ気味……。

特にヒナギクの全身カットは、はじめ手前の岩がありませんで
した。だけど「いくらなんでもこれは見えすぎだろう……」という
ことでお尻が隠れる程度に岩を配置。
しかし、それでも見えすぎな気がしたのでちょっとづつ岩を大き
く修正していったら、こんなにデカくなってしまいました……。

それにしても今回のような話を描くと、やはり西沢さんは
お姉さんでヒナギクは妹なのだなぁと思ってしまいますな。
なんだかんだ言って同学年とはいえ3月生まれのヒナギクと
5月生まれの西沢さんはほとんど1歳違うので、その辺が
根本的な性格差になっている気がします。

さてさて、そんなこんなでこの下田の話もようやく終わりが
見えてきました。
そろそろ一話完結形式の話が描きたくてウズウズしているの
ですが、あと少しだけこの旅行にお付き合いください。

それではまた来週!

ちなみに来週は巻頭カラー。
見開きの絵がかなりとんでもない感じになっているので、
読むときは1ページ目をしっかり読んで、丁寧にめくってみて
くださいね☆
くれぐれもいきなり見開きから見ないよう、よろしくお願い
いたします。

それでは!

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