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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

藤田和日郎

Vol.26/2008年3月19日

 お久しぶりですな。
藤田和日郎です。
ビッグコミックスピリッツで、『邪眼は月輪に飛ぶ』という、老猟師がアメリカ軍人と共におばけなカンジのふくろうと戦うおはなしをやり、モーニングで『黒博物館〜スプリンガルド』という、19世紀イギリス放蕩貴族のバネ足男としての戦いをやったので、猛烈に少年漫画が描きたくなりました。少年サンデーをはなれて1年と半年くらいかな。その間に行動するのに何かと理由のいる大人が主人公のものをやりまくったら、元気な向こうみずをはね回らせたくなったわけですな。資料や史実をちゃんとナニしないとアレな世界を描くのも楽しかったけれど、わくわくしてあははと楽しめる少年漫画が本当に描きたくなったんでした。
実際、新作を構想するのは面白かったなァ。勢いがものスゴかった。
『月狂条例』なんてタイトルが最初ついていたのさ。中世ヨーロッパで、夜あんまり月の光に当たると精神が狂気(ルナ)っちゃうよ、という条例らしい。本当にあったらしいよ。びっくりだ。しかし、さすがに「狂」の字はなぜだかふさわしくないらしく、現在のタイトルになりました。北海道の友達のたつやと中島は「けっこう条例」と大はしゃぎ。いずれオマケ漫画としてコミックスにそういう漫画を出しちゃろうかね。
構想の勢いはものスゴかったが、作者はおっちょこちょいである。スピードがスゴいとたいていは、どっかにアタマをぶつけたり、大切なケータイを落っことしたりする。マリオカートで150キロのスピードレースモードを選んだら、アイテムボックスをひろえねえってヤツである。『月光条例』もいくつもぶつけたり、落っことしたりしているハズなのだ。しかも、そういう忘れもんは、たいてい連載し始めてから作者が気がつくもんだったりするので、まだサンデーに載っていない今は全くわからないんだった。よく書店の漫画コーナーで、「あっ!!……」と言ったきり、ほお肉をふるふると震わせている人を見かけるが、それは皆、新連載の自分の作品をどれちょっと立ち読みをしてみるかとのイタズラ心が仇になった漫画家である。後ろにそっと立って見給え。こんな声が聞こえるだろう。
「第三者的立場で読んでみるとイキイキしていない。イキイキしてないよオレのキャラ!」とか
「ああっ、極めて客観的な立ち位置からボクの漫画を見れば、笑えない。泣けてくるほど笑えないよ! ちくしょう、ボクのキャラなのにむかって腹が立ってきたぜ。」とか呪詛のコトバだらけである。
作者は身の回りで見たことはないが、きっと書店ではよく見られる光景ではないかと思われる。こわいのである。
ただし、よくできたすばらしい漫画家である自分は、読者のみなさまからの指摘は、ちゃんと受けとるつもりなので、ご感想をお待ちしております。その、なるべくソフトで甘い文体で………お願いします。いや…キツイ意見は今日明日に送ってくださらなくても……今にで…
いよいよまたサンデーかあ。
『月光条例』がんばっちゃいますれば、みなさん、来週からよろしく読んでやってくださいまし。

このコーナーも気を入れかえまして、なるべく(注・なるべくですぜ)ちゃんと書こうと思います。

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