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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

藤田和日郎

Vol.25/2006年5月31日

 ふ―――――――――――――――――――――――。
終わっっっっったあ――――――――――――――――っ。

『からくりサーカス』。おかげさまで完結いたしました。
今まで、この長い物語におつきあいくださって、本当にありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?

ほぼ9年の間、毎週、毎日『からくりサーカス』のことだけを考えて暮らしてきました。いろいろ言われましたし、たくさん思うところもあります。
でも。この「いかがでした?」に答えてくれる皆さんの声。その声だけが全てであることを僕は知っています。
まんがは、そんな風にシンプルであるべきだと思います。
面白かったか、面白くなかったか… それだけで『からくりサーカス』は語られてオッケーなのですよ。
覚悟はできてます。

さて、長い間描き続けてこられたのは、自分だけの力ではけっしてないのです。
片山(ジョー)、雷句(リック)、井上(ケイ)、赤羽(ダン)、相田(ジャガー)、金田(ニック)、福田(ジョニー)、内富(トミー)、瀬尾(ボブ)ら、歴代アシスタントの協力と、林、縄田、則松、由田、吉元、宮坂、有井、各編集さんの二人三脚があったからに他なりません。
作者本人すら、よくわかっていないイメージをつかんで異常な事態の絵を描き続けてくれたアシスタントのみんな。(しかも、しゃべらないとダメといううちの掟を守りながら!)
大長編の内容を理解しつつ、作家のわけのわからないテンションの高さにつきあい、進路のコントロールをしなければならなかった編集の方々。読者の方対象のこの場でありますが、お礼を言わせてもらいます。
ありがとうございました。

そして最後に、お手紙や、このWEBサンデーを通じてメールをくださったみなさん。
あなた方の反応が、いかに僕の執筆にパワーをくれたか知れません。
読者の顔をほとんど知らず、サンデーのアンケートと単行本の売れ行きによってしか自分の作品の成果を知るしかない漫画家にとって、感想の生の文章は、いつも僕のボロっちいよちよちの体を支える杖でした。
嬉しかったなァ。いろいろな年代… 小学校の低学年の子から50代の方までいただいたもんなァ。職業も、学生さんや浪人の方、サラリーマンから研究者、OLさんからミュージシャンやすもう取りさんまで…たくさんたくさん。親孝行から友だち思い、感情的なヤツから詩人なヒトまで全てありがたかったよなァ。
文面に「面白いです。力をもらいました!」なんて書いてあるんだけれど、とんでもねえ! 力をもらってるのは当のこの僕だよって、一人一人に返事したかったんです。お返事ができなくてすみません。震災にあわれた方からのメッセージや、自身が重い病気の方の手紙が届いたこともありました。その後いかがお過ごしなのでしょう。
みなさん ありがとう。
やはり、僕から言えることは次のことばです。

「いかがでしたでしょうか?」

サイン会やその他で会った皆さん。ありがとうね。

「からくりサーカス
いかがでしたか?」

バレンタインデー。チョコをナルミやマサル達に送ってくれたみんな。ありがとう。

「からくりサーカス どうだった?」

単行本や連載を読んでくれていたみなさん。
ありがとさんでした。

「どうだった?」

面白かったら、そりゃ良かった。
面白くなかったら。こりゃ失敬。

いずれにしても、力はもう一滴も残ってないってくらい出し切っちゃいました。
今さら、言い訳も泣きゴトも言う気はありませんや。

マサルは、ナルミという発射台から射ち上げられて、いいヤツになり、ナルミはしろがねと共に世界中を回っているでしょう。
それを描けたんだもの。描き終わったんだもの。
ちょっぴり寂しい感じもしますが、作者としては、肩の荷をようやくおろせたようで、ホッとしています。

ああ、いい気分だなァ。

もう一回 ありがとう。
そして 皆さん お元気で。
いつか また お会いしましょう!


コミックス最終巻の描き足しをしながら
二〇〇六年 五月三十日
藤田 和日郎


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