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まんが家バックステージ

サンデー作家陣

クリスタルな洋介

Vol.62/2010年9月8日

オッス!
クリスタルです。久しぶりのバックステージ更新。
あ、ちゃんと隔週更新するよ!

しかし、暑いですね〜〜〜〜〜。
9月なのに。
ずっとエアコンつけて寝てます。
ノドが気になる。
この暑さ、いつまで続くのか……

……もし、ですけど…
このまま暑さが12月まで続いたら
どうだろうか?


サマークリスマ〜ス!

カップル男「今年はトロピカルなクリスマスを
       スプラッシュしちゃうぜ!」
カップル女「マジでトロピカルなんですけど!
       つか、蝉ガンガンなんですけど!」
カップル男「カキ氷ケーキでジン・グル・ベル!
      そしてシャンパンで乾杯!と見せかけて自分に
      かけちゃうぜ!うっひょおおお!!炭酸!炭酸やべー!」
カップル女「炭酸ウケル!炭酸ウケル!」


やばい…日本が終わる…!!
こんな12月嫌だ。
ていうかこのカップルが嫌だ。
自分で生み出して何だけどすげえ嫌だ。
…元旦はどうだろうか?

ハッピー・サマー・ニューイヤー!

カップル男「2011年もサマー記念日!
     今年は福男っつーかナ・ツ・オ・ト・コ目指しちゃいます!」
カップル女「つか2011年になったばっかで30度超えって。
      マジ日本常夏なんですけど。ハワイになっちゃった系で
       今年いっちゃう?みたいな。」
カップル男「マジやべーっス。今年の俺マジやべーっス。
      2011年のド深夜にサンオイル塗っちゃってます。」
カップル女「ド深夜!ウケル!ド深夜!」

何だこのカップル。ていうか何だ俺。
温度がどうこうじゃなくてもう
このカップルが気になって仕方がない。
夏のままクリスマスになり、元旦になり、
卒業の季節まで続いたらどうだろうか?

カレンダーは3月を指し、
寒さも徐々におさまる季節だというのに、
いぜん変わらず窓の外から蝉の鳴き声が聞こえる。
校舎は蒸し風呂状態だ。
サウナのような教室に、あの二人の影があった。

カップル男「………」
カップル女「………」
カップル男「じゃあ、そろそろ、俺…行くわ。」
カップル女「…」
カップル男「…なんだよ。何か言ってくれよ。」
カップル女「…」
カップル男「文句があるのか?なら言ってくれよ。」
カップル女「…」
カップル男「……それじゃあ…。」
カップル女「…ったい…」
カップル男「ん」
カップル女「ぜったい、帰ってきて。」
カップル男「……ん。」


男はほんの少し笑うと、教室の窓へゆっくりと
歩みを進めた。
一歩、また一歩進む毎に男の体から光がこぼれる。
窓の前まで来た男は、軽いため息をした。
まさか、こんな事になろうとは……
今年の、異常気象の「夏の正月」の時には
思いもしなかった。
まさか、自分が…
世界の運命を左右するなんて。

カップル男「じゃ…行ってくるわ。春とか、秋とか、冬とか…
      いろいろ、返してもらうわ。」
カップル女「……うん。」


一瞬の風と振動…その後の静寂。
そこには、もう男の姿は無かった。
…ほどなくして、蝉が鳴くのをやめた。
桜が咲き始め、エアコンの電源をいれることも無くなった。
…だが、男は帰ってこなかった。

それから3か月。
また、あの夏の季節がやってくる。
しかし、前の夏とは違い、たったの2か月しか無い夏。
限りある時間。

女は待つ。
夏が好きだった男を。
世界は季節を取り戻し、平穏な日々が過ぎていった。
夏が好きだった男が取り戻したとは知らずに
人々は暮らしていく。

女は待つ。
たとえ、夏がいくつ巡ってもずっと待つ覚悟だった。
必ず帰ってくると信じていた。
…やがて夏が終わり、秋が巡り、冬が来た。

女は待つ。
思い出を頼りに、去年過ごしたオープンカフェで。
好きであればあるほど、
離ればなれになった苦痛は大きい。
決死の覚悟など、簡単に崩れ去る。
それほど大きな存在だった。

雪が女の髪を濡らす。
涙なのか、溶けた水なのか。
顔から雫がとめどなく流れてしまう。

……逢いたい。

喉の奥がどうしようもなく苦しくなった。
その時…
ドン!
と、目の前に大きなカキ氷。
ばちばちと花火までささっている。
チョコでメリークリスマスとデコレーション
されているソレは、見間違うはずも無い
あの人といっしょに食べた、カキ氷ケーキ。
そして、ああ、どうしよう。
望んだけれど、こんなに幸せな事があっていいのだろうか。
女は泣き出しそうな自分を必死におさえ、
ただ一言を振り絞った。

カップル女「おかえり」

男は、に!と笑って大きな声でこう応えた。

カップル男「サマ〜クリスマ〜〜ス!」


ご愛読ありがとうございました。
クリスタル先生の次回作(次のバックステージ)にご期待ください!

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